blumen in shiga
とってもいい季節です。四季(厳しい夏や冬や梅雨や台風)があるから稲作国としていいのだという人もいますが、私は本気で年中春と秋だけでいいです!
今まで滋賀は単に帰省先でしたが、最近、滋賀の「観光地」に行くようになりました(と言ってもまだ湖東三山も海津大崎も行ってないレベルですが)。
この写真は日野町「ブルーメの丘」です。羊がのんびり草を食んでいる光景は、羊が居なかった場合よりも、きっと「のどか濃度」が上がっているはずで、とても癒されました。
滋賀っていいところだな~と大人になって思います。高校生の頃は「ここには何も無い」から「オラ町(京都)さ出るだ」と思ってました。
一昨年、嘉田由紀子知事に香港でお会いすることがあり(小柄な方なのにすごいオーラでした)、「私は滋賀県出身ではないから言えます。水の研究をしてきたからこう思うというのもありますが、滋賀県には本当に何でもあります。でも、皆さん口を揃えて『うちの地元には何もありません』と言いますね」とおっしゃっていました。
その時はまだ、「確かに『香港になくて滋賀にあるもの』もたくさんあるけど、逆もたくさんあるし」くらいにしか思っていませんでした。
でも今はよく分かります。滋賀は本当になんでもあるところです!滋賀で育って良かった。今の季節だと、小学校の校庭からきれいに見える山がだんだん色付いていって、空が夕焼けで刻一刻とグラデーションになり、子供心にも(心の中でそう言葉にすらしていないけれど)「美しい」と感じたのを覚えています。あれは都会(京都)の社寺の紅葉名所などとは違う、日本の里山(原野でもなく、人の手の入った田舎)の美しさです。
(余談ですが、あと、教育環境。良くも悪くも京都は衛星都市だから、「お受験」があります。
滋賀は基本的に全員高校まで公立です。京都では「公立保育所出身」というのは言わないようにするらしいと聞いて驚きました。とはいえ公立御所南小→御池中出身というのは下手な(?)私学以上に「上」らしく、必ずしも「公立は庶民」でもないそうでややこしい…。
滋賀では中高の先生が「調整」をして「どの公立高も倍率1.00」に近づくようにしてから受験するので(京都に比べて、少なくとも私の世代は。膳所高校を除き)とても平和でした。私の高校受験も確か「402人受けて400人受かる」倍率でした。
高校は湖東地区だったので予備校もなく京都にも遠く、せいぜい通信教育をするかしないかくらい(高校の勉強だけ)で大学受験に突入、
というのがが普通だと思っていたら・・・京都人の友人知人は同年代でも「小・中・高から私立」とか「ずっと公立だったけど塾/現役生でも予備校に行っていた」と言う人が多くてびっくり。
しかも今、市中を見ても、高校生が放課後に出歩く先が田舎に比べて多種多様で、なんだか忙しそう。
良い面もあると思うしやっぱり都会育ちのひとはあか抜けていますが&滋賀で高校教諭をしている友人に寄れば、スマホの普及した今「田舎だからちょっと純朴」「田舎だから親の想像内のシンプルライフ」ということはない、そうですが。)
じゃぁなんで滋賀に住まないの、と言われると、私は車の運転が出来ず、「今の日本の地方は、アメリカ並の車社会だから」です。
一昔前は、車は一家に1台(農家だと1台プラス軽トラ。高校の先生方の中には農繁期(田植えと収穫の時期)にはそのまま軽トラ+長靴通勤の人もいました)、だったのに、今は「18歳以上一人一台」になってしまい、アメリカのような「大きな駐車場のある大型スーパー・モール」が出来る→20年前に比べてバスの本数と小売店が激減。京都市では増えているコンビニも実家の周りでは減っています。
結果、ちょっと前は彦根駅から1時間に1本はバスがあったので「あー乗り過ごした、まぁアルプラで小1時間潰すか」で済んだのに、先月も「えっ次のバスは3時間後!」ということがあったり、「ちょっと消しゴムを・牛乳を買いたい」と思っても、ちょっと歩いて行ける距離には店が無い、という状態です。いやー不便・・・
でも、ブルーメの丘のあの空気は京都(市)にはやっぱり無いもので、宝くじでも当たったら、京阪石坂線の走っているエリアに町家を買いたいなと妄想を楽しんでいます。